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この件については、エメットのイスラエルのガザ地区ラファー市での軍事行為についても参照。(2004年5月21日)


メディアで報道されるイスラエルの軍事行動の表面だけを見ていると、人々はイスラエルが戦好きの国と判断してしまうかも知れない。しかし、イスラエルは好きで戦っているのではない。イスラエルが戦わねばならないのは、周辺アラブ諸国がイスラエルという国の存在を認めず、虎視眈々とつぶすチャンスを狙っているからだ。アラファトに至っては国際社会に向けては英語でテロを非難し、パレスチナ民衆に向かっては、「イスラエル人を殺せ」とアラビア語で熱弁を振るってきた。そんなアラファトの2枚舌が次の表現でよくわかるだろう。

 「私はイスラエル市民への自爆攻撃を非難する」 
    (2002年2月3日 ニューヨークタイムズ)
 「ファタハはアラマリキャンプの英雄的女性殉教者ワファ・イドリスを誇りを持って賛美する」
    (2002年1月31日 ラマラで女性殉教者について)

こうやって、アラファトはイスラエル市民を狙ったテロ行為を賞賛し、暴力でパレスチナを解放する必要性をメディア教育など、あらゆる手段で民衆に訴えてきたのだ。その結果が、連発する自爆テロである。

これらの自爆テロに使われる爆弾の大半が、国境沿いエジプトのラファから、フィラデルフィ・ルートを隔てたガザのラファまで地下に掘られたトンネルを経由して入ってくる。海外のテロ組織から支援を受けたパレスチナのテロ組織が、このトンネルを使って武器を密輸し、イスラエル市民や兵士への攻撃に使用するのである。

下の絵はそのトンネルの作りを示している。向かって左端のほうにある穴がエジプト側の入り口、右端がパレスチナ人の家屋の中に作られたトンネルの入り口である。エジプト側の協力者が、トンネルの入り口に武器を置いておき、パレスチナテロリストはトンネルの中を這ってその武器を取りにいく。




フィラデルフィルート沿いで発見されたトンネルの入り口。この穴がエジプト側のラファにつながっている。





エジプトが自国内のラファに設けられたトンネルを破壊し、関係者への処罰を徹底させ、ガザへの武器の密輸を阻止すれば、イスラエルはパレスチナ人の家を破壊する必要はない。しかし、イスラエルとの間に平和条約を結んでいながらも、エジプトは対イスラエル攻撃の武器密輸に目をつぶることで、パレスチナテロを後方支援している。

現在、エジプト側のトンネル入り口にはカチューシャロケットや対戦車ミサイルなどがたくさんあり、密輸の準備ができているという。そのため、イスラエルはその武器がガザに入るのを防ぐため、パレスチナ側ラファにあるトンネルの入り口を破壊する必要があるのである。

こうして破壊された家の持ち主は、自治政府からコンクリート建ての家を建ててもらえるばかりか、予期せぬ収入まで与えられるそうだ。そのため、住民の中には偽のトンネルを作りうわさを流して家を破壊させようとするものもいるという。

ラファの難民は、貧しさのゆえにこのような密輸ビジネスに巻き込まれていくのだが、そもそも彼らはなぜ貧しいのか。パレスチナ人の生活向上のために世界中から寄せられた莫大な金があるではないか。それらの金がきちんと難民に配分されていれば、彼らの生活は豊かなものとなっていたはずだ。そして、密輸ビジネスに手を染める必要もなかっただろう。アラファトたちが支援金として寄せられた金を着服したりテロ行為に費やしてきたからこそ、難民は貧しい状態から抜け出せないのである。

イスラエルをつぶすために、自らの民族を犠牲にするこの悪魔的指導者を排除することが、パレスチナ人を救うことにつながり、中東和平への第一歩となるはずだ。(2004年5月20日)


イスラエル・パレスチナ和平に関して
平和共存のための苦闘
日本・イスラエル国交樹立50周年に祈る

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