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2004年3月31日、イラク中部のファルージャで米民間人が襲撃され、遺体が切り刻まれ、引きずり回されるという衝撃的な事件が起こった。日本でもこの事件は報じられたが、日本人はそれとほぼ同じようなことがパレスチナ人によって行われたのを知っているだろうか。

2000年10月、2人のイスラエル予備兵がラマラのパレスチナ警察署でリンチされ、その遺体が2階の窓から下に投げ落とされた。落とされた遺体は下で待ち受けていた暴徒からさらに激しい暴行を受け、頭部も割られ見るも無残な姿になった。警察署で暴行に加わった若者は、血のついた手を誇らしげに見せびらかした。ファルージャ事件のイメージはまさにそのときのパレスチナ暴徒とオーバーラップする。その様子はビデオ撮りされフランスで流されたが、すぐに放映禁止になったそうだ。現在は、ワールドネットデイリーから発売されているビデオでしか見ることはできない。

今回のファルージャ事件と似たような性質を持ちながらも、この兵士殺害事件は注目を浴びて報道されることはなかった。それは、ただ単に被害者がイスラエルだったからだ。

イラク人暴徒は殺害した米国人の遺体を引きずり回し、切り刻み、それを橋につるしたという。そのイラク人暴徒同様に、パレスチナ人は、イスラエルに協力した同胞をむごたらしく処刑し、その遺体から取り出した内臓を振り回して歓喜した。大きく報道されたファルージャ事件と、報道されなかったこのパレスチナ人処刑事件、両者の行為にどんな違いがあるだろうか。非人間的で野蛮であるという点で、なんら変わるところはない。

2004年3月11日、スペインのマドリードで列車爆破テロが起こった。それと同じことはイスラエル国内では、何度も何度も起こっている。スペインとイスラエル、どちらも一般市民を狙った卑劣なテロである。が、国際社会はスペインでのテロのように、イスラエルの民間人を狙ったパレスチナテロを非難することはない。

それは、アラブオイルへの依存と反ユダヤ主義を根底に、メディアが作り出した「パレスチナ人=かわいそうな人々」「イスラエル=占領者」という構図が人々の間で定着し、「占領者に抵抗する」パレスチナテロを致し方ないものとして捕らえているからだ。

イスラエルでのテロを国際社会が非難しないことは、パレスチナテロリストに、「理由があれば」一般人を巻き込んだテロも許されるというメッセージを送ることになった。それが、パレスチナを越えて、世界のいたるところでイスラム過激派によるテロを促進させることにつながっている。今回のファルージャでのアメリカ人襲撃事件もその延長線上にあるのだ。アメリカは、この事件の加害者に法の裁きを受けさせると言い、イラクからの撤退はないと明言している。実際、今、アメリカを含めた軍がイラクから撤退するということは、テロリストに「テロは有効である」とのメッセージを送ることになり、世界各地でテロが激化することにつながるだろう。

テロリストには弱さを見せてはいけない。彼らはそれを勝利のチャンスと捕らえ、さらに激しく攻撃してくるのであるから。イスラエルはこれまで国際世論に重点を置きすぎてきたため、強硬手段をとることができなかった。そのため、何百人ものイスラエル市民がテロで命を奪われ、その数倍の負傷者を出すことになった。イスラエルの姿は明日の日本の姿であるかも知れない。国際社会は、テロは絶対に許されないのだという強い意志を、今こそ一致団結してテロリストに見せるべきなのではないだろうか。(2004年4月5日)


参照: パレスチナ その人と社会
     http://mideastreality.web.fc2.com/lynch.html(写真 要注意)
     http://www.middleeastfacts.com/Gallery/bodyparts.htm(写真 要注意)
     

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