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下記の英文テキストは次のサイトでご覧になれます。 http://216.26.163.62/2002/me_palestinians_11_22.html

イスラエル・パレスチナ間戦争犠牲者の調査対比


ワールド・トリビューン専用記事
ミドル・イースト・ニュースライン

2002年11月22日(金)

テルアビブ−2年を超えるイスラエルとの戦いで犠牲になったパレスチナ人は、ほとんどみな若い男性であるとイスラエルの研究センターは明言する。

その一方で、センターの調査によると、イスラエル側の犠牲者は、約3分の1が女性であるという。

ヘルツェリアに拠点を置く対テロ国際政策研究所が行った調査で、両者の犠牲者を調べた。調査は、公開情報に基づき、犠牲者を年齢別、性別、戦闘員・非戦闘員別に分類している。

2000年9月に戦争が始まってから、パレスチナ人は約1600人、イスラエル人は600人以上が死亡している。

この「作られた悲劇:パレスチナ・イスラエル間紛争における犠牲者の統計的分析」というタイトルのレポートでは、次のように書かれている。「パレスチナ人テロリストが手近にある民間のところを攻撃することにしたため、過去23ヶ月にわたりイスラエルの民間人が本質的に無差別に殺害されていることを統計は示している。また一方、パレスチナ人死亡者数は特にある年齢層−10代の少年や若い男性に集中している。」

また、レポートによると、「女性や年長者層の人々は軍事目標ではない;すなわち、イスラエルの死者にこれらの層がより多いということは、パレスチナ人テロリストがただ単に彼らがイスラエル人であるという『罪』で彼らを殺害したというところまできたことを示している。それに比べて、パレスチナ側民間人の死者は、圧倒的に若者で、男性である」という。

学際センターの一環であり、また、対テロ問題で西側政府と協力しているその研究所は、パレスチナ側犠牲者の大多数が、レポートでは戦闘員と判断される者たちであると報じている。

研究によると、死亡したパレスチナ人のうち617人、すなわち、犠牲者の少数派(注)が非戦闘員であったのに対し、イスラエル側は417人、言い換えれば犠牲者の80%が非戦闘員であったという。

また、パレスチナ人犠牲者の8人に1人にあたる203人は、パレスチナ人自身の手により死亡している。その中には、イスラエルに自爆攻撃をしかけようと爆弾を作っている最中に死亡したものも含まれている。

さらに、イスラエル人では、戦争での全死亡者中、女性が31%を占め、パレスチナ人に殺害されたイスラエル側の非戦闘員のほぼ40%が女性であるという。

一方、パレスチナ人では、犠牲者の95%以上が男性で、その圧倒的大多数は若い男性である。

レポートによると、「イスラエルに殺害されたパレスチナ人非戦闘員を見ると、少数の女性犠牲者が年齢的にランダムに分布しているのに対し、男性犠牲者は圧倒的に若い。より正確に言うと、イスラエルに殺害されたパレスチナ人非戦闘員全体の63%が12歳から29歳までの少年や男性である」という。

レポートでは、パレスチナ人犠牲者のパターンは、イスラエルが無差別に女性や子供を標的にしているという非難とはまったく相反しており、調査によると、パレスチナ人犠牲者の大多数は居住区におけるイスラエルの無差別攻撃で死んだのではないといっている。

「このパターンに筋道たった解釈はひとつしかないだろう:すなわち、パレスチナの男性や少年はイスラエル軍との衝突に至らしめる行為に関与していたということだ。パレスチナの非戦闘員犠牲者におけるきわめて特殊なパターンは、これらの死の多くが、『殉教者』を賛美するパレスチナの積極的な教育キャンペーン、すなわち、イスラエル人に対して肉体的な危害を与える現実的な可能性がほとんどない時でさえ、イスラエル軍と衝突するよう少年や若者を効果的に煽った結果として起こっていることを示している」とレポートは述べている。

(注) 原文ではmajorityという語が使われているが、ここではminorityが正しいと思うので、そのように訳した。

上記内容の裏づけは次のサイトを参照:
http://www.ict.org.il/casualties_project/stats_page.cfm
http://www.ict.org.il/articles/articledet.cfm?articleid=440
http://www.palestinefacts.org/pf_1991to_now_alaqsa_casualties.php

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